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3Eコラムcolumn

  

2014年新春寄語
日中両国の共なる発展を願って


料理イメージ

 

 日中両国は、異なる発展段階にありながら、互恵補完の相関関係に位置づけられる。事例として挙げてみよう。 

 

@   エネルギー環境分野では、2007年中国の年間火力発電量は27229.3kWh 2005年、日本と中国の石炭火力発電の平均発電効率はそれぞれ43%と32%である。中国の石炭火力発電効率を日本の効率まで向上できれば、石炭消費節約量は3億トンで、CO2削減量は7.1億トンに相当する。このCO2削減量は日本全国の年間排出総量の約半分となる(日本のCO2排出量は、1990年度11.43億トン、2007年度13.7億トン)。これを実現できれば、中国にとっては、経済効率性の向上、大気汚染など公害問題の克服、エネルギー安全の確保に寄与でき、また日本にとっては、CO2クレジットの獲得、エネルギー環境技術の輸出、新成長戦略の実現に寄与できるものである。

A   エネルギー供給面では、日本がパイプラインで天然ガスを輸入する場合,サハリンからのルートを除けば,東シベリア,西シベリアおよび中央アジアからのルートは必然的に中国,北朝鮮および韓国を経由することになる.このため,これらの国々との協力体制を構築しておくことが重要である.

B   水環境分野では、滋賀県を事例にすると、すでに汚水処理施設整備率が98%、下水道普及率が87%を達成しており、企業や技術の海外への出口が緊急に求められている。一方、中国では、都市部のみならず、広大な農村地域では分散型汚水処理率が極めて低く、莫大な汚水処理市場を有している。

C   医療分野では、「2012中国腫瘤登記年報」によれば、中国では毎年312万例の癌患者が増加し、平均10秒で1人の癌患者が現れるという。日本における癌細胞免疫治療(例えばグランソール奈良)など高度な医療技術とリンクし、日中を跨る国際的な医療ネットワークを構築できれば、死亡者の低減と健康の向上、医療産業の振興に寄与できる。

D   食料分野では、日本はカロリーベースで6割の食糧が海外輸入に依存し、そのかなりの部分は中国から輸入している。今後のTPP参加と大規模な気候変動による不確定性が増長するにつれ、誰が日本人を養うかは日本にとっての重要で現実な課題となる。

古来、私の故郷浙江省は、日本と密接な交流を続けてきた。日本の稲作技術は縄文時代に浙江を経由して伝来したものと言われ、三国時代以降、多くの日本の使者は浙江省の杭州または寧波に上陸し、中国を訪れた。日本の主要な仏教宗派である天台宗、臨済宗、曹洞宗などは主に浙江省から日本に伝来した。日本の「篆刻の父」心越禅師(中国名:蒋興倚)は浦江県出身。日本の茶栽培と茶文化も南宋時代に浙江から日本に伝わったという。日本の茶道の元来で世界最初の茶経は茶聖陸羽が湖州で完成した。日本近代社会に影響を与えた陽明学、水戸儒学も浙江出身の学者が日本に伝えた。にごり酒、湯葉、筆、シルク、など日本と切っても切れない関係がある。

現在、日中両国は、お互いに最大貿易国となり、お互いに必要不可欠な市場である。互恵補完的な協力は両国の唯一な選択肢であると考える。

「和」は両国の根本利益にある。全体的に「」の本質的要求は、さまざまな複雑な物事の間で均衡を把握し、各種の利益を調整し、最終的に和諧を実現することである。

日中両国は、歴史的、未来的視座から、「ゼロサムゲーム」または「マイナスゲーム」から「ウィンウィンゲーム」へと賢明に転換することが求められる。

近者悦、遠者来(近き者が悦べば、遠き者も来たる)。これは孔子の教え(警鐘)である。

日中両国の共なる発展の促進に、微力ながら貢献してまいりたい所存である。









新書紹介
書籍名 
サステイナビリティ学入門

「サステイナビリティ(持続可能性)」の学問体系の構築と普及を試みた概説書。地球環境の持続可能性という同時代的要請に応えるために、追究されるべき具体的なアジェンダと視座を提起する。詳しくはー>こちら